■永住ビザを取るための2つの大事な事
先回は、ポイントシステムについて書きましたが、そのポイントさえ取れれば、永住ビザが発行されるわけではなく、最低限、これだけはクリアしていなければいけない条件というものがあります。
これを、永住ビザの基本条件というのですが、この基本条件を全てクリアしていないと、いくらポイントが高くても永住ビザを申請することができません。
ですから、永住ビザを取る為には
1. 基本条件を全てクリアしている事
2. ポイントの合計がパスマークを上回っている事
この2つが必要です。
永住ビザの基本条件はそれほど厳しくないのですが、年齢制限などがあり、もたもたしていると手遅れになることもありますので早めの行動をおすすめします。
■永住ビザを取るための10個の条件について
オーストラリアの永住ビザを取るためには、以下の10個の条件で加算されるポイントの合計が120点以上であることが必要です。それでは各条件についてお話しますね。
条件1. 技能
自分のスキルに合った職種が、技能職業リスト(SOL)(pdf)に載っていること。これについては、まず職業リスト(下記URL)を見て、自分のスキルに合った職業があるかどうかを見ます。
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-in-australia/skill-occupation-list#
(リンク先のみ2019年8月に変えています。)
条件2. 職業経験年数
自分に合った職種が、技能職業リスト(SOL)に載っていて、技能点で60点の職業の場合は申請日から 遡って18ヶ月のうち12ヶ月、40・50点の場合には、36ヶ月のうち24ヶ月の職務経験があること。
条件3. 年齢
申請時に18才以上で45才未満である事。
条件4. 英語力
IELTSで各セクション5以上が取れること。
最低この条件全てをクリアしていないと、オーストラリアの永住ビザを申請することはできません。オーストラリアの移民局としては、毎年毎年、世界中から何万人もの申請者をふるいにかけているわけで、恐らく例外は認められないと思います。
当時の僕の場合、詳細は後日またこのブログで書きますが、とりあえず基本条件はALLクリア(予定も含む)でした。
■実際に何ポイント取れるかの試算
以下は、僕が実際に何ポイント取れるのか?試算したものです。
1. 学歴・職歴に関するポイント
4年生大学の学士号を持っていて、一定のトレーニングを必要とする職業の場合 : 60点
職業の例
ゼネラルマネージャー、セールス&マーケティングマネージャー、会計士、IT関連専門家、エンジニア、教師、看護師、通訳・翻訳者等)
手に職系の職業の人もこちらでOKです。(調理師、美容師、菓子職人等)
まあ、なんとも表現が曖昧ですが、4年制の大学を卒業していて、専門職についている人とか、手に職系の人は、とりあえずこれで良いんじゃないでしょうか。
4年生大学の学士号レベルを必要とする「ジェネラリスト」的な職業の場合 : 50点
職業の例
マーケティング、営業(工業製品、情報関連)、ジャーナリスト、デザイナー、カウンセラー等
4年制の大学を卒業しているけれど、専門職じゃない方、手に職系じゃない方は、これに当ります。
短大、専門学校またはそれに準ずる学位を必要とする職業の場合 : 40点
職業の例
一般事務系、歯科衛生士等
歯科衛生士なんて、めちゃめちゃ手に職系だと思うんですけどねえ。なぜか40点しかもらえません。たくさん歯科衛生士さんがオーストラリアにいるんでしょうか。
2. 年齢に関するポイント
18歳~29歳 : 30点
30歳~34歳 : 25点
35歳~39歳 : 20点
40歳~44歳 : 15点
年齢に関しては明快です。一つ注意点は、これは永住ビザ申請時に何歳か?って事ですので、例えば29歳で申請(30点)すれば、申請後に30歳になっても、30点もらえるって事です。申請してしまえば、あとは移民局の混み具合とかで結果が出るまでの時間が変わってきますから、申請者に罪はないという考慮だと思います。
3. 英語点に関するポイント
★IELTS (ジェネラル) の4分野すべてにおいてBAND 6.0以上取得できる : 20点
★IELTS (ジェネラル) の4分野すべてにおいてBAND 5.0以上取得できる : 15点
先日のオーストラリア永住ビザ取得に必要な最低条件のところでも書きましたが、これは4つのセクションListening, Reading, Writing, Speakingすべてにおいて取れなきゃダメです。
例えば、Listening8.0点 Reading7.0 Writing8.0 Speaking 5.0 取れて、平均が6以上でもSpeakingが6.0以下の5.0点ですので、15点しかもらえないという事です。仮にSpeakingが4.0なら、他が9点でも英語点はもらえません。
それから、これはあくまでも噂ですが、英語点は今後厳しくなるかもしれません。この情報を鵜呑みにせずに常に最新ニュースを、取り入れてください。
僕も気がついたら、更新します。
※2019年8月現在かなり厳しい状況ですね。ちょっと調べたらIELTSで6は0点、7は10点、8は20点になっています。システム自体も変わってパスマークが60点になっていますので、点数が低い事自体は何とも言えないのですが、IELTSの最低点が6で、最低点だと0点しかもらえなくなっています。
4. 職業経験に関するポイント
★技能点60点の職種に該当し、その職種またはそれに近い職種に、申請から遡って4年間のうち3年間就いてる : 10点
★技能職業リスト(SOL)に載っている職種に、申請から遡って4年間のうち3年間就いてる : 5点
ここでも自分の職業が何で、何点なのかって言うのが関係してくるんですね。基本的に60点の職業の場合は上、それ以外の職業(50点、40点)の場合は下です。
5. 需要の高い職業に関するポイント
★需要職業リスト記載のある職種に該当し、その職種でオーストラリアでの仕事のオファーがもらえる。 : 20点
2019年の最新職業リストはこちらですね。
http://www.visabureau.com/australia/migration-occupations-in-demand-list.aspx
★需要職業リスト(MODL)記載のある職種に該当している : 15点
これは、オーストラリア国内で特に需要が高い職業についている人がもらえるボーナス点みたいなものです。このリストは頻繁に変わりますんで、今すぐビザ申請ができる人意外はあてにしないほうが無難です。
ちなみに僕が申請した時点では、僕の職業「Mechanical Engineer」は、高度需要職になく、このボーナス点はもらえなかったんですが、今は高度需要職に入ってますんで15点もらえます。
この15点ってめちゃめちゃでかいです。僕の場合、英語点で20点必要だったのが、15点に落とせますし、年齢も44歳まで待てますからね。今は取っちゃったから関係ないけどちょっと悔しいなあ。
6. オーストラリアの学歴に関するポイント
オーストラリアの教育機関で2年以上のフルタイムの教育を受け、Ph.D(博士号)を取得している。: 15点
オーストラリアの教育機関で、 Bachelor Degree(1年以上)と、MasterまたはHonours degreeを取得していて、留学期間の合計がフルタイム2年以上である。 : 10点
オーストラリアの教育機関で2年以上のフルタイムの教育を受け、Diploma、Degree、またはTrade qualification(Certificate III)を取得している : 5点
7. 地方、低人口地域に関するポイント
指定地域リストにある地域に居住し、地域内の学校で合計2年以上留学(フルタイム)し、Diploma、Degree、またはTrade qualification(Certificate III) を取得している : 5点
8. 配偶者の技能に関するポイント
配偶者またはデファクトパートナーが上述の<基本要件>「技能・職務経験・年齢・英語」全てを満たしている。
すべて、最低点でもOKです。だから、44歳で、IELTSが5点以上取れて、一般事務系の職業に過去4年の内3年以上ある配偶者がいる人は、この点数がもらえます。
9. その他のポイント(ボーナス点)
申請日から遡って4年間に合計6ヶ月以上、SOL(pdf) に記載された職種で、オーストラリアで合法的に働いている。
オーストラリアのいずれかの州の債券(10万豪ドル。12ヵ月間満期)を購入できる。
日本で学士号を習得している、あるいは NAATI のプロフェッショナルレベルを取得している。
この3つのうちどれか一つでも当てはまれば5点もらえます。但し、2つでも5点です。もっと言えば、3つに当てはまっても5点です。
10. オーストラリア在住の親戚に関するポイント
申請者、または配偶者の親/兄弟姉妹/叔(伯)父叔(伯)母に、オーストラリア市民またはオーストラリア永住権保持者でオーストラリアに住んでいる人がいる。: 15点
これは、ポイント高いです。15点もらえるばかりか、パスマークが10点低い110点に下がります。実質25点分の価値があるってことですね。
上の項目1~10までの合計点が120点以上に達したら、オーストラリア永住権取得の可能性が大です。このブログを見ている方で、もし120点に達しなくても、オーストラリアに永住する方法なんていくらでもありますので、諦めないでくださいね。
僕のまわりで永住ビザを持っている人のうち、僕のように日本で独立永住ビザを取ってきたという正統派はいません。。。
ホントに永住ビザを取る方法などいくらでもあります。あきらめは禁物です。
※本記事はサイト管理人が永住ビザを目指していた2000年~2005年の情報ですので、今現在永住ビザの取得を目指している方は、最新情報を取ってください。次の記事で2019年8月現在のポイントシステムについて解説します。