年別:2019年

今回は永住ビザを取得するために必須の英語試験、「IELTS」について書きます。

 

オーストラリアの永住ビザを取るためには、IELTS(アイエルツ)という英語の試験を受けて一定以上の英語力を持っている事を証明しなければなりません。

 

■IELTSの一般概要について

 

IELTS(International English Language Testing System)は、イギリスやオーストラリアに留学したい人、またオーストラリア,ニュージーランド,カナダに移住したい人が英語力を証明するために受ける英語の試験です。

(日本で言う英検とかTOEICみたいなものです)

 

モジュールは、2種類あって一つは、留学したい人向けのアカデミック、そしてもう一つは移住したい人向けのジェネラルがあります。

 

申し込みはイギリスの公的な国際交流機関であるブリティッシュカウンシルで行います。

 

日本での試験会場は非常に少なく、基本的に東京、名古屋、大阪、福岡、4箇所のみ

となっています。(札幌と広島は2007年度は試験会場から外されました。ご注意を)

 

現在、ブリティッシュカウンシルの事務所所在地は、東京と大阪の2ヶ所のみ。

(※現在(2019/8時点)では、全国15か所で実施されています。ずいぶん楽になりましたよね。)

 

検定料は¥24,675.-(2007/4時点)です。

(※現在(2019/8時点)では¥25,380.-です。)

 

科目はリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4科目です。点数は

9点満点、1が英語初心者で、9がエキスパートです。

 

以上、IELTSの一般概要でした。

 

IELTSって、ホントに検定料金が高いんですよ。加えて名古屋の事務所も数年前に閉鎖。試験会場が減って不便さが増しているのにも関わらず、検定料金は年々上がっている。

 

ブリティッシュカウンシルは、所詮、公共の機関ですから、受験者の利便性なんてこれっぽっちも考えてません。願書締切日も4週間前から5週間前に変更されたようですし。

 

5週間後の予定なんて分かるかい!って言ってやりたいですね。

 

地方の人は、この検定料金に加え、交通費や時には宿泊費が追加されますので、ホントに大変ですよ。北海道の人は東京まで来なければなりませんからね。

 

僕個人的には、名古屋で受けたので(住んでたのも名古屋の近くでしたし)ぜんぜん不便さは感じませんでしたが、もうちょっと、地方の受験者の方の事も考えてくれてもいいんじゃないですかねえ。

 

※現在(2019/8時点)では、全国15か所でできるようになりましたし、受験料金も思ったほど上がっていなかったので、割と改善されたようですね。良かったです。

 

■IELTSとの戦い

 

僕の場合、エンジニアとして職業査定を受けようとしていたので、職業査定の提出書類としてIELTSの結果(当時全て6点以上)が必要でした。ですからまずは、IELTSで6点以上取らないことには、何も始まれない状態でした。

 

つまり順番は

1. IELTSで全て(リスニング~スピーキング)で6点以上を取る

2. 1のIELTS結果と共に職業査定を申請する。

3. 1のIELTS結果と2の職業査定結果と共に永住ビザを申請する

という感じです。

 

そして厄介な事に、オーストラリアの永住ビザ申請に関しては、IELTSの結果は、1年間しか結果が有効ではありません。

 

つまり、IELTSの結果がよくても、職業経験が少ないなどの理由で、職業査定がなかなか通らなく、IELTSの結果から1年以上経ってしまうと、1のIELTS結果は3の永住ビザの申請時には使えなくなってしまいます。

 

だから、IELTSの結果が出るときは、既に職業査定に受かる程度の職業経験と技術力を身につけていなければいけないという状況でした。

 

■IELTSとの戦いその2

 

こんな事もあって僕がIELTSを始めて受けたのが、働きだしてから2年とちょっと経ってからだったんですが、思った以上にIELTSで全て6以上とるというのは難しかったんですね。

 

他は全部6以上なのに一つだけ5.5とか、そんな事が何度も続きました。そして、そうこうしている間に、最初に掲げた目標、

 

「ビザ取得目標は3年後(年齢30歳)」

 

っていうのが過ぎてしまいました。

 

結局、IELTS全てにおいて6以上とるのに受験回数が5回、最初にIELTSを受けてから1年以上もかかってしまいました。

 

まあ、その頃は一度試験を受けると3ヶ月以上経過しないと受験できないなんて、ふざけたルールがあったんで(今は廃止されてます)、3ヶ月おきに受験しては、一つだけ5とか5.5というのを繰り返してしまった結果、1年以上もかかったという事なんですけれども。

 

この3ヶ月(90日)ルールが廃止されたのは、最近のIELTSにおいては、画期的な事だと思います。今まで年間最大4回しか受けられなかったのが、毎月受けられる、極端な話、海外にIELTS受験ツアーなんか行くと、毎週受けられるようになったわけです。

 

まあ、そんなこんなで、当時IELTSにはいろんな制約があったので、それも相まって苦労しました。

 

 

タグ

■ビザエージェントに話を聞いてみた

 

話を2000年に戻します。

 

オーストラリアの永住ビザについて、自分なりに相当調べましたが、なんとなく自信がない。ほんとに合ってんのかいな?このまま自分で進んじゃっていいのかなーと。

 

もっと、確固たる自信を持って、永住ビザの取得への方向性を決めたいなあと思い、オーストラリアの永住ビザの専門家に話を聞くことにしました。

 

オーストラリア永住ビザなどの手続きがめんどくさいビザなどは、自分でも申請できますが、ビザ代行業者といって、資格を持ったビザ専門家に申請の代行を頼む事もできます。

 

たいていこういったビザ代行業者は、「初期査定」と言って、ビザが取れる可能性があるかどうかを簡単に判断してくれるサービスを持っていますので、とりあえず、自分が調べ上げた事が合っているかどうか、このまま突き進んで良いかを確認する為に、一度話を聞いてみることにしたわけです。

 

また、ビザ代行業者には、きちんとした資格を持っている人がいないといけないことになっているので、もし、自分でビザ代行業者を探す場合は、必ず、資格を持った人がいる正式なところを選びましょう。

 

数多くのビザ申請代行業者の中から、僕が初期査定を頼んだのは、日系大手のビザ代行業者でした。

 

このビザ申請代行業者、今は、初期査定を無料でやってくれますが、当時は、1万円かかりました。今は、無料で初期査定をやってくれるビザ申請代行業者が、たくさんありますので、無料の方がお得だと思います。

 

簡単な初期査定だと、有料だろうが、無料だろうが、得られる情報はそれほど変わりませんのでだったら無料の方がいいですよね。

 

ただ、永住ビザが申請できる準備が整った段階で、ビザ申請代行業者を選ぶ場合は、もっと慎重に選んだ方が良いと思います。

 

さて、初期査定を申込んでから一週間ほどで、返事が来ましたが、結論からすると、今まで自分で調べた事以外の新しい見解はありませんでしたが、自分で調べたオーストラリアの永住ビザ情報、そして、自分が取れそうな点数などは、間違っていない事がわかりました。

 

「永住ビザを取れる可能性が高いです」

 

そうビザの専門家から言われたときは、ちょっとうれしくなっちゃいました。

 

■オーストラリア永住ビザ取得に関する目標値設定

 

ビザの専門家に確認した事で、今からがんばれば永住ビザが取れそうなことが分かったので、いつまでに永住ビザを取るのか、目標を決める事にしました。

 

年齢制限もあるので、そんなに長い時間はかけられませんが、ただ、先回ビザ以外の問題点というページでも書いた通り、オーストラリアでも通用する技術力、英語力を身につける。また、移住資金をためる必要があった為、

 

「ビザ取得目標は3年後(年齢30歳)」

に決めました。

 

それまでの手順は、

 

1. IELTS、全てのセクションで6以上を取る

2. 技術力査定をパスする

3. ビザ本申請を行う

 

です。

 

まずは、IELTSですが、ホント苦労しました。もー苦労しすぎて思い出したくもありませんが、次回からIELTSについて書く事にします。

 

※補足:移住してから13年ほど経った2019年の今だから言えますが、正直IELTS6程度では現地の企業では通用しないですね。

 

最低7か8くらいは必要だと思います。まあ僕の場合は日系企業に勤めていますから少し事情は異なりますが、今でも日系ではない現地のオージー企業でバリバリ働く勇気がないのは英語力の低さから来ています。

 

ただ、6なら生活するレベルであれば問題ないと思います。自分の言いたいことも言えますし、聞きたいことも聞けます。病院とか子供の学校とかも問題ありません。ですがやはり英語力はあればあるほどいいのは間違いありません。

タグ

■ポイント以外の問題点

 

1年後には、永住ビザのパスマークをクリアする可能性がでてくるわけですが、もし、1年後、永住ビザを申請することを目指した場合の問題が4つ

 

①IELTSで6以上が1年で取れるか?

②たった1年の経験で技術査定が通るのか?

③たった1年の経験で、海外で通用する技術力がつくのか?

④移住資金がたまるのか?

 

やってみなきゃわかりませんが、少なくとも③と④はムリでしょう。つまり、ポイント的には可能でも、現実的な事を考えると不可能です。永住ビザを取ることは一つの目的ですが、通過点でもあります。

 

永住ビザを取って移住したのはいいけれど、何も仕事がなければ日本に帰国しなければいけません。移住してからの時間の方が長いですし、例えば35歳で移住したとしても30年くらいは働く期間がありますから、ちょっとくらい移住するのが遅くなっても移住してから安心の方が良いかと。

 

目的は、ビザを取ることではなく、オーストラリアに移住する事。

 

オーストラリアで通用する技術力、移住資金、英語力など、日本にいるうちにやることはたくさんあります。最低3年くらいはかかるかな、とこの時点では考えていました。

 

という事で、仮に30を過ぎて年齢点が5ポイント下がってもも永住ビザの申請が可能かどうかを試算しました。

 

すると、34歳までは120点を獲得できる。40歳までは115点を獲得できる。なーんだ40歳までいけるじゃん。

 

このままパスマークが変わらなきゃ、ですが。

 

■オーストラリア永住ビザパスマーク変更

 

オーストラリア永住ビザのパスマークは、一定ではなく、その時々によって変わります。

 

なんで変わるのかは、移住担当大臣の気分次第、、、ではなくて、一応意味があります。

 

例えば、毎年毎年、移住受け入れ人数を計画するのですが、その計画に達しそうにないときは、パスマークを低く設定して移住者を多く受け入れようとしたり、反対に、計画人数に対して、ものすごく多く申請者がいたりすると、パスマークを上げて、申請者を減らしたりするようです。

 

ここ数年のパスマークの移り変わりを見てみますと、2000年当時、オーストラリア永住ビザのパスマークは、110点。比較的取り易い点数でした。ところが、2002年に115点に上がり、2004年には120点へ上昇。(人がこれから取得しようとしている時にガンガン上げるんじゃない!!)

 

その後、現在まで120点のままです(2007年執筆時点の話)。つまり、年々オーストラリアの永住ビザは、取りづらくなっています。

 

2000年当時は、こうなる事は予想もしていませんでしたので、先回の点数試算の時、40歳まではいけると思っていましたが、2004年の時点で34歳までに取得しなければ、取れなくなるという状態になったわけです。

 

■オーストラリア永住ビザ発行数の動向

 

さきほど、オーストラリア永住ビザのパスマークがここ数年上昇してきているということを書きました。それでは、実際のオーストラリアへの移住者数はどうなっているでしょうか?

 

結論から言うと、

「計画受け入れ者数、移住者数実績、共に年々増えています。」

 

2005年から2006年度(実績)は、合計142,930人

2006年から2007年度(計画)は、合計134,000 - 144,000

 

今までの実績からして2007年度もMAXに近い144,000人近い人に永住ビザを発行するでしょう。パスマークを引き上げ、条件を厳しくすると同時に受け入れ人数も多くする、これは、世界中でオーストラリア永住ビザを申請する人が、増えているという事です。

 

それから最近の永住ビザの傾向としては、地方に住む人を優遇するというのもあります。パスマークを引き上げ、それに達しない人を一定期間地方に住むことを条件に、永住ビザを発行するというシステムが出てきました。

 

数年前に登場した地方独立移住ビザは、この典型的な例です。

 

この傾向も、今オーストラリアでは、大都市圏に人が集中している問題があることから、今後もしばらく続くと考えられています。

 

それと、余談になりますが、最近移民者に対して英語の基準を厳しくすべきだというニュースをやってました。永住権を取った後、市民権を取る際に英語のテストをすべきだと言っていましたが、これには賛否両論あり、結論は今だ出ていません。

 

※補足:オーストラリアの人口は2019年現在約2500万人です。これは日本の1/4以下の数字で国土が広い(日本の約20倍)割にはまだまだ人口が足りていません。というわけでこれからもオーストラリアは世界中から移民を募らないとやっていけない国です。

 

時々システムは変わりますし、受け入れ人数も増えたり減ったりを繰り返すと思いますが、移民をいけ入れるための永住ビザのシステムは継続されていきます。

タグ

さて、2000年くらいの話に戻ります。

 

オーストラリアの永住ビザのシステムやポイントの事を調べた後、僕は、自分が一体何点取れる(取れそう)のかを自分で査定してみました。

 

極端な話、この時点でパスマークを超える事が出来れば、永住ビザの申請が出来ます。また、今の時点では出来なくても何年経てば永住ビザの申請が出来るか?おおよそのプランを立てることが出来ます。

 

まずは当時(2000年)の自分の状況から。

 

僕は、大学の工学部を卒業し、2年ちょっとの会社勤めの後、ワーキングホリデーに行きました。1年後、オーストラリア国内にて、ワーキングホリデービザ から学生ビザを取得しました。(楽しい、語学学校です♪マジで楽しかった~)

 

その後、再びビザをオーストラリア国内で、切り替えようとする(学生ビザを延長しようとした)が、 移民局より却下される。仕方なしに日本へ帰国するも、オーストラリアの永住ビザを 目指すことを決意。

 

帰国後、日本で就職活動をしながら、オーストラリア 永住ビザ取得活動も開始する。その時点で27歳。

 

こんな感じでした。

 

ここまでの2000年当時の状況をまとめると

 

 年齢が、27歳である

 理系の大学を卒業している

 過去1年半くらい職歴が無い

 ワーホリでお金を使い果たし、貯金がない

 

こんな感じでした。

 

まず今すぐ永住ビザを申請できるかどうかですが、永住ビザの基本条件の中に、職業経験年数というのがありましたので今すぐは無理です。

 

では、何年後だったら永住ビザが取れるのか?

 

職業経験を積んだ1年後だったらどうか?

 

まず、IELTSで全て6を取ったと仮定すると、基本条件は全てクリア、では、点数を足していきますと、

2000年当時の永住ビザの条件にあてはめています)

1. 学歴・職歴に関するポイント : 「メカニカルエンジニア」で60点

2. 年齢に関するポイント : 「28歳」で30点

3. 英語点に関するポイント : 「IELTS6以上」で20点

4. 職業経験に関するポイント : 「1年」で0点

5. 需要の高い職業に関するポイント : 「メカニカルエンジニア」で15点

6. オーストラリアの学歴に関するポイント : 「なし」で0点

7. 地方、低人口地域に関するポイント : 「なし」で0点

8. 配偶者の技能に関するポイント : 「なし」で0点

9. その他のポイント(ボーナス点): 「日本の4年制大学卒業」で5点

10. オーストラリア在住の親戚 : 「なし」で0点

合計130点でらくらくパスマークをクリア、オーストラリア永住ビザの申請が可能です。

 

しかし、当時は5番の需要リストに「メカニカルエンジニア」は入っていなかった。

ので、マイナス15点の115点。但し、2000年当時のパスマークは、110点だったので、パスマークはクリアです。

 

「よっしゃー1年後に申請じゃー」

 

と、言いたいところですが、、、まだ問題が。

そう簡単にはオーストラリアの永住ビザは取れません。

 

※話がちょっと前後して分かりずらいかもしれません。この文章を初めて書いたのが2007年くらいだったと思います。

 

2007年の状況にあてはめるとパスマーク120点のところ、130点の取得が可能。2000年当時のパスマークを採用すると、パスマーク110点のところが、115点だという事です。いずれにしてもパスマークはクリアできるという状況でした。

タグ