明けましておめでとうございます。年末年始は比較的暑い日があったのですが、最近は涼しい日が続いています。
2020年一発目のブログで暗いニュースをお届けするのは何なのですが、ブッシュファイヤーがとんでもない規模になっているので、この話題をお届けします。
■目次
- 1. 火事の範囲がやばい
- 2. 火だけじゃなくて煙も害|PM2.5の数値が上昇
- 3. ブッシュファイヤーに関するニュースのまとめ
- 4. おっさんが住む街にも煙が到達
- 5. ブッシュファイヤーが身近で起こったらどうすればいい?
1. 今回のブッシュファイヤーの範囲がやばすぎる
・火事の範囲
https://myfirewatch.landgate.wa.gov.au/
調べたところ、0-72時間前の状況で2020.1.9現在このようになっています。
【オーストラリア全体】
これを見ると、オーストラリア全体でかなりの広範囲で山火事が起きていることが分かります。
【メルボルン,シドニー周辺】
キャンベラはやばいんじゃないかと思いますが、大丈夫かな?
全体のMapよりは、範囲が限定されていることが分かりますが、タスマニアが北海道と同じ面積である事を考えると、かなりヤバイ状況ですね。
上のマップは2020.1.9午前9時現在から72時間前までの状況ですが、じつはこの山火事が発生したのは去年の9月からなので、既に4か月以上に渡って燃えているという状況である事。
・2019年の9月から4か月以上も続く山火事、鎮静どころか被害は拡大【2020.1.6のネットニュースより】
https://www.huffingtonpost.jp/entry/australia-bushfires_jp_5e12d5abe4b0b2520d24412b
ですから、過去数か月に渡った山火事の範囲でみると、この数倍もの面積がすでに燃えてしまっている状況であることが分かります。その被害面積は、2020.1月6日のネットニュースによると、500万ヘクタール。これは、九州と四国を合わせた面積に相当します。
・500万ヘクタールが消失。8千頭のコアラが犠牲に【2020.1.6のニュース】
https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20200106-00157771/
動物の被害も前代未聞です。山火事によって犠牲になった動物、鳥、爬虫類の総計は4億8千万になるおそれがあるとのこと。
オーストラリアにはカンガルー、コアラの他にも貴重な固有動物がたくさんおり、その被害は甚大です。
2. メルボルン領事館から送られてきたPM2.5の注意喚起メール
メルボルン領事館からも去年のおわり辺りからメールがかなりの数送られてきています。その中で気になったのが炎による被害だけじゃなく、PM2.5の被害も深刻であるという事。
- 【メルボルン領事館からのメール(一部を抜粋)】
7日、VIC州等各州の厚生環境局より煤煙公害に対する注意喚起が行われております。
緊急の用がない限りは,外出を控える等注意してください。
VIC州:https://www.epa.vic.gov.au/EPAAirWatch
SA州:https://www.epa.sa.gov.au/data_and_publications/air_quality_monitoring
TAS州:https://epa.tas.gov.au/epa/air/monitoring-air-pollution/real-time-air-quality-data-for-tasmania
1 7日,ビクトリア州,南オーストラリア州およびタスマニア州で煤煙による公害被害に伴う注意喚起が行われております。緊急の用がない限りは,外出を控える等注意してください。また,循環器が悪い方,お子様,お年寄りは特に注意してください。
対象地域
https://ref.epa.vic.gov.au/our-work/monitoring-the-environment/epa-airwatch
https://www.epa.sa.gov.au/data_and_publications/air_quality_monitoring
https://epa.tas.gov.au/epa/air/monitoring-air-pollution/real-time-air-quality-data-for-tasmania
2 現在の警報の状況
(1)VIC州:https://www.epa.vic.gov.au/EPAAirWatch
警報レベル:きわめて不健康(Very unhealthy all )(7段階表示の3番目)
該当地域: Moe, Morwell, Churchill, Traralgon
概況:これまでの24時間でPM2.5のレベルは107.0 から 177.9に達しており,コミュニティ全ての方の健康に悪影響があります。
EPA AirWatch health categories
https://ref.epa.vic.gov.au/our-work/monitoring-the-environment/epa-airwatch/epa-airwatch-health-categories
(2)SA州
警報レベル:
該当地域:
概況:いずれの地域でも警報なし。
(3)TAS州
警報レベル:警報あり
該当地域:Launceston地区を含むタスマニア北部
概況:Launceston地区のPM2.5のレベルは27に達しており,健康に悪影響があるため特に循環器が悪い方,お子様,お年寄りは注意し外出を控えてください。
-----ここまで----
メルボルン領事館からこのような注意喚起メールが送られてくるのは大変ありがたいですね。煙も危険なので、外が煙っている時は外出を控えるようにしなければいけません。
実はおっさんが住んでいる街も煙で景色がかすむ日が数日ありました。実はこのブログを書いている1月9日現在も煙っていてこういう日は外出をできるだけ控えるようにしています。
3. その他、ブッシュファイヤーに関するニュースのまとめ
■原因は放火も多々ある
https://news.livedoor.com/article/detail/17633767/
2020.1.8時点で、シドニーのあるNSW州で24人が意図的に山火事を起こしたとして検挙されています。
これ、ブッシュファイヤーのたびにあることで、たばこのポイ捨てとかバーベキューしたとかいう事でも検挙されます。中には意図的に山火事を起こそうとして、いわゆる放火をする若い10代のやんちゃな人たちもいます。
オーストラリアには、Fire Bans and Ratingというのがあって、山火事が起こるリスクの大きさによって、その日のレベルが決められます。
もし、そのレベルがTotal fire ban(火を使ってはいけない)というレベルになっていたら、以下のような事をしてはいけません。
・バーベキュー
(熱源にガスとか、電気を使う場合でその熱源がコンクリートや金属で囲われている場合はOKです)
・キャンプファイヤー
・コマーシャルケータリング
(事前にパーミッションを取っていればOKです)
・チェーンソー
・芝刈り機
詳しくはこちらのサイトに載っています。
https://www.cfa.vic.gov.au/warnings-restrictions/can
■NASAの衛星写真は合成
今回のブッシュファイヤーに関し、NASAの衛星写真というもっともらしい名目でデマの写真が広まっているようです。その写真がこちら。
いやいやいくら何でもそんなわけないでしょ。
これは完全に合成写真で作った本人もそういっているのですが、コレを見た人が【NASAの衛星写真】というキャッチで広めてしまったものです。
完全にデマなので信じないでくださいね。
■すさまじい火災現場や都市の写真
百聞は一見に如かずです。
オペラハウスがこんなにかすんで見えるなんて信じられない。
逃げる人々の行列
炎と必死で戦う消防士
■コアラの救出映像
どれだけ喉が渇いていたんだろう。
4. 身近に迫るブッシュファイヤーの恐怖|おっさんが住む街にも煙が到達
2020年になってから、メルボルンやメルボルン周辺のブッシュファイヤーが実際に起こっていない街にも煙が到達しています。
メルボルンにはタスマニアのブッシュファイヤーの煙が海を越えて到達しました。おっさんが住んでいる田舎街にも煙が到達する日が増えてきています。幸い周りで火災は起こっていないものの実際かなり怖いです。
5. ブッシュファイヤーが身近に起こったらどうすればいい?
2009年に起こったブラックサタデーと呼ばれるオーストラリア史上最悪の山火事が起こってから10年が経ちました。
また、それを上回る規模の山火事が起こっているわけですが、その時の教訓をもとに今オーストラリアで今言われている事は
「すぐ逃げろ」
という事。
家が燃えたって命さえあれば何とかなります。家の周りに水を撒く前に、
「まずは命を守る」
常に心に留めておきたい教訓です。