年別:2023年

【2023.6.5】

 

全仏オープンダブルスで頑張っていた加藤未唯選手がボールガールへのボール直撃で失格となりました。今年の全豪で息子がボールボーイをしていたのでそんな親目線での記事を書きたいと思います。

 

■加藤選手はお気の毒、、、だけどNOでしょう、、、

 

今回のこの失格で加藤選手はかなり多くのものを失いました。賞金、名誉、周りのサポート、本人の努力、、、テニスをやっている子供を持つ親としてテニスの過酷さは身に染みています(レベルは違いますが)。子供のころからどれほどの犠牲を払って加藤選手がここまで来たのか?加藤選手のくやしさは計り知れないものがあるでしょう。

 

映像を見ると明らかに加藤選手は故意ではやっていないです。しかしながら、ボールがノーバンでボールガールに当たってしまった、、、いわゆる事故ですね。

 

事故だから許されるのか?昨今のコンプライアンスから言って答えはNOでしょうね。残念ながら。

 

■かなりのスピードが出てたのでは?

 

テニスボールって映像で見るのと実際見るのとではスピードがちがいます。ノーバンでネットからフェンスまで飛んでますからかなりのスピードが出ていたのは間違いありません。

 

テニスボールって毛が着いていますから、あまりいたくないイメージがありますが、実際当たるとめちゃくちゃ痛いです。また、普通あのスピードでノーバンでボールを返すということはしません(昔フェデラーがボーイに対してやっていたことは置いといて)。加藤選手がイラついてボールに当たったのは明らかで、それは危険行為とみられても仕方がありません。

 

もう少しスピードが緩ければ、せめて1バウンドしていれば、危険とはみなされなかったかもしれないだけにとても残念です。

 

■あのボールガールは大げさだけど教育の違いもある

 

日本人と違い、外人は「人前で泣くのは恥ずかしい」とか「少しくらい我慢しなさい」っていう教育を受けてませんから大人でも結構泣きます。オーストラリアでも我慢の教育はしてなくて、このくらいで大の大人が泣くのかよ。。。簡単だな。。。ア●かって思うこともしばしばあります。

 

日本の常識だと、ここで私が騒いだら選手に迷惑がかかる。。我慢我慢。と思いがちですが、欧米社会ってそんな観念は皆無です。自己中心社会ですから、自分、自分です。

 

ですから今回の女の子の映像も日本人から見ると大げさなリアクションに見えてしまいますが、おそらくあの子には加藤選手を困らせてやろうという意図はなく、単に痛いから泣いただけだと思います。

 

■いろんな不運が重なった

 

今回の一軒で加藤選手は気の毒、ボールガールの女の子も気の毒、得をしたのは加藤選手が失格したことにより勝利した相手選手だけでしたね。

 

もう少しボールの軌道がずれていたら、、、、球のスピードが遅かったら、、、反射神経の良いボーイだったら、、、、こう考えるといろんな不運が重なりました。テニスって本当にイラつくスポーツなんですが(でも好き(笑))、やはりプロがこういう危険行為とみなされる事をするのはそれなりのリスクも一緒についてくるという事でしょう。

 

■加藤選手にはこれからも頑張ってほしい

 

一テニスファンとして加藤選手にはこれからも頑張ってほしいと思います。この悔しさをバネにまた成長した姿をメルボルンでみてみたいです。頑張れ~。

 

【追記】

審判が相手選手の講義で判断を変えたのは決して良くないですね。加藤選手のボールが危険なのかどうかは別問題として、判断を講義で覆した審判こそ失格で退場してほしいですね。

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【2023.1.18】

 

今週からオーストラリアンオープンが始まりました。去年、一昨年とコロナで行けなかったので(自粛です)今年は思いっきり楽しめるぞと意気込んでいました。

 

特に今年は長男がボールキッズに応募して合格(実は2500人以上応募して合格者360人という難関)、トレーニング期間を得てボールキッズに参加。今まで見る側だけだったのが、今回は参加する側に回ってプロの球を間近で見れるし、裏方ならではの経験もできるだろう。。。ということで期待感もありました。

 

始まって今日で3日目。本人はいたって楽しんでおり、すごく目をキラキラさせてワクワクしながら頑張っている様子ですが、親からするとかなりブラック企業的な働き方なので子供の健康が心配です。

 

今後、ボールキッズをやりたいと思っている人の邪魔をするつもりはありませんが、あくまでも現実にこういうことがある、という親目線の記事であるという事を留意してお読みください。おそらく子供に書かせたら、「僕めっちゃ楽しかった~」ってなると思います。

 

■シフトが過酷

 

ボールキッズはシフトで働きます。(働くといっても完全ボランティアです)。朝のシフトが午前10時から、午後のシフトが16時から試合が終わるまで。。。というかんじですね。

 

テニスの試合って、時折深夜0時を超えますよね。10年くらい前にフェデラーとナダルが決勝を深夜2時過ぎまでやってたのを思い出します。

 

問題はボールキッズには、終わる時間が設定されていません。これが午後4時からのシフトなら「はいそうですね。試合がいつ終わるのかわかりませんから」って納得ですが、午前10時に始まってもいつ終わるのかわからない。設定できないとのこと。「いや午後シフトの子たちが来たら、午前シフトの子たちは帰れるだろう」って普通に思いますが、少し残ってほしい、と言われるそうです。

 

で結局午前10時に来ても終わる時間は大体午後6時半とか午後7時になってしまう。午後シフトは4時からですから、2時間半から3時間くらいは重なる時間があります。「なんのためよ??」この3時間をせめて子供たちが十分休息し、次の日に備える時間に充てられないものだろうか?

 

昨日実際にこんなことが起こりました。昨日長男は午後シフト。4時からはじまったのですが、その日の試合が暑さと雨で遅れ、会場をでるのが深夜0時になりました。しかしながら明日(実質今日)は朝のシフトで10時に来なさいっていわれたそうで。。。

 

試合が0時に終わるという事は、会場を出るのが早くても0時半、家に着くのが早くても1時(メルボルンシティに住んでればね)。それで次の日会場に10時に来い。。。と。つまり、深夜に終わり、次の日のシフトまでの時間が10時間。その中で帰宅、ごはん、風呂、寝る、朝ごはん、通勤、すべて入れるということですよ。

 

「何時間寝れるんじゃい?」って話です。大人でもつらいですよね。

 

うちの場合、会場まで車で1時間半、公共交通機関で2時間ちょっとかかりますから、家から通うとなると、実質寝る時間が3時間以下くらいでしょうか。もちろんそんな時間に公共交通機関なんて動いてませんから、親が迎えに行くしかありません。

 

昨日はメルボルンシティ近くに住んでいる友人に頼み、泊めてもらいました(ほんとありがとう)が、会場まで深夜に迎えに行ってもらいかなり迷惑をかけてしまいました。(ほんとすみません)

 

という個人の事情なんて知ったこっちゃない。あなたが好きで応募してきたんだから、どんなシフトだろうとやってもらう。。ダメならクビ。。という姿勢が監督しているテニスオーストラリアにはあります。

 

普通の職場ならこのシフトは完全に法律違反なんですけどね。それを13~16歳のこどもに自ら応募してきたとはいえ平気でやってしまう。。。

 

僕が少し考えるだけでも

・もっとボールキッズを雇って3交代にする

・そして夜シフトは16以上の子供に限定する

・もしくは午後シフトから朝シフトに変更時は、一日休ませる

・深夜まで試合が続いた次の日は遅めのシフトに変更する

など、もう少しボランティアで働いている子供たちの体を気遣う対応をしますけどね。しかしながらとりあえずここ2日でキッズの健康に対する気づかいは一切ないことがわかりました。

 

■シフト計画は前日の夕方まで出てこない

 

自分が次の日どのシフトになるかは、前日の夕方までわかりません。なので、何か私事を計画しようとしても一切できません。これがオーストラリアンオープンがある2週間+その前1週間(予選の試合があるため)の合計3週間続きます。つまり3週間はいつ、いかなる時もボールキッズに備えなさいってことです。

 

これもアホかと思いますね。もちろん日々予測不可能なことが起こって状況の変化はあるんでしょうけれど、せめて2日前くらいにはわかるようにはできるでしょう。で、どうしても予定していたシフトを変更せざるを得ない場合は、個別に変更すればいい。

 

このように少し工夫をすればできることを自分たちがめんどくさいからやらないというのは怠慢以外の何物でもありません。(というか考える力がないのか。。。かわいそうに。。。)

 

■我が家が行った対策

 

2日経過して家から通うのは無理と判断。木曜日から次の週いっぱい(オーストラリアンオープンが終了)まで宿をメルボルンシティに確保しました。こうしておくことで、公共交通機関が終了する時間になっても歩いて宿までたどり着けますし、最悪のコンディションの中でもできるだけ休息の時間を確保できます。

 

お金は$2000ドルを軽く超えましたがこれは子供の健康を守るため、僕ら親のサポートを軽減するための必要経費なら仕方がありません。(下手すると子供の前に親がつぶれる可能性あり)

 

分かってはいましたが、オーストラリアのシステム変更に期待したり、シフトを少しは考えてくれるだろうと期待するのは、時間と労力の無駄でした。(馬の耳に念仏、猫に小判)

 

事のつまりは、「ボールキッズを管理しているスーパーバイザーが何も子供たちの健康を考えていないアホなだけ」ってことなんですけどね。親としてはここが最も不満です。ボールキッズに対しお金が支払われていない議論が上がっていますが、僕はボランティアなんだからまあそこはどうでもいいです。

 

ボールキッズが良い経験になることは間違いありません。自分で会場に行き、新しくできた友人と一緒に国際的なイベントを盛り上げるという経験は一生のうちでもなかなかできない事でしょう。

 

特にうちの長男の場合、自らもテニスをやっており、一流プロの球を間近でみれるというのはとても良い経験です。

 

だからといって、ボランティアワークのキッズたちに敬意を払わないテニスオーストラリアのやり方は本当に賛成できない。僕からはそんなテニスオーストラリアに敬意を表し、「キングオブブラック企業」という称号を与えましょう。